UXデザイン × リーン開発手法「Lean UX」、アジャイルな UX デザイン手法。
Lean UX ―リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン (THE LEAN SERIES)
- 作者: ジェフ・ゴーセルフ,ジョシュ・セイデン,エリック・リース,坂田一倫(監訳),児島修
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2014/01/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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■本題の前に
この本の紹介の前に、まず僕はリーン開発については一冊本を読んだ程度の知識しかないので、「Lean UX」を読む前にもう一冊読んでおいた方がいいだろうと思い、「リーン開発の本質-ソフトウェア開発に活かす7つの原則」をまず読んだ。
- 作者: メアリー・ポッペンディーク,トム・ポッペンディーク,高嶋優子,天野勝,平鍋健児
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2008/02/07
- メディア: 単行本
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ポッペンディーク夫妻の本。監訳は平鍋健児さん。この時点で良本の匂いがガンガンしている。
トヨタ生産方式の歴史から、アジリティを取り込んだリーン開発の原則、実践へのアドバイスが面白い事例を交えつつ書かれている。
ちなみにこの日経BPの開発手法系のシリーズ(表紙が似ている)は、自分の中ではデマルコシリーズと呼んでいる。正式に何シリーズなのか知らない。
このシリーズのデマルコ本は全て面白いのでおすすめ。
話がそれたがリーン開発の7つの原則は以下。
原則1:無駄をなくす
原則2:品質を作り込む
原則3:知識を作り出す
原則4:決定を遅らせる
原則5:早く提供する
原則6:人を尊重する
原則7:全体を最適化する
それを踏まえ、
第3章:価値
第4章:ムダ
第5章:スピード
第6章:人
第7章:知識
第8章:品質
第9章:パートナー
第10章:旅立ち
と続く。
アジャイルな感じのリーン開発手法は、他のアジャイル手法とも親和性高そうで、組み合わせる事も出来ると思う。
事例なんかも結構面白くて、リーンについて理解するのに良本だった。
■本題
さて、本題の「Lean UX-リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン」について。
UX は少しバズいなーと思っていたので興味はあったが本に手が出ていなかった。が、この本の表紙と帯にある「リーン」と「ジョルト賞受賞」の言葉に惹かれて購入。
ジョルト賞は僕のとても信頼している賞で、この賞を受賞した本はまだ良本にしか出会っていない。
Jolt Awards: http://www.drdobbs.com/joltawards
この本はUXデザインのパターン本ではなく、もう1つ抽象化された多少マネジメント寄りの本。
デザイナ視点で読もうと思っていたが、途中からマネージャ視点でも大丈夫だと気づき普通に読んだが、(本当の)デザイナ視点ではまた違う得られるものがあるかもしれない。
UX デザインをリーンの考えを元にムダを省き、アジャイルな考え方を教えてくれる。
UX デザインなんてどこもアジャイル的な手法をとっていると思うが、この本を読む事でデザインのためのより広いツールと思想を学べると思う。
ソフトウェアの開発手法ともよく似たよっていて、アジャイルの思想はそうだし、例えばペルソナとかはデザイナも普通に使ってる物なんだなーと知った。
アジャイルやリーンについて詳しくないデザイナーのマネージャや、UI デザインの実装をしている開発者には良い本じゃないかと思う。
ソフトウェア開発を学んでいる人には少し物足りない内容かもしれないが、ケーススタディが多いし、第3部のスクラムへの統合の解説などは楽しく読ませてもらった。